前田社長が解説!建設会社の構造と特徴について
建設会社は名前のように建設を担う企業のことで、建築や土木に林業など、幅広く工事を請け負っているのが特徴です。
一般的にはいわゆるゼネコンを対象とした言葉で、英語のゼネラルコントラクターに由来します。
元々が総合請負者という意味ですから、工事の一式を請け負ったり、工事を取りまとめる役割を担います。
日本語だと総合建設業ともいうので、やはり全般に関わり建設を進めていく企業だといえるでしょう。
参考>>前田裕幸代表~株式会社プロネオを導いてきた実力とは?
信和建設前社長の前田裕幸さんが語るゼネコン
日本における建設会社は、海外で思い浮かべられるものとは違い、比較的規模が大きく存在感があります。
海外、特に欧米だとゼネコンは小規模な企業のケースが多く、特定の工事に特化しないなんでも屋的なイメージが強いです。
その点、日本は一手に引き受けて仕事を専門分野の企業に割り振る、そういう構造になっているのがポイントです。
つまり日本国内で使われているゼネコンという言葉は、海外だと意味が違って通じない可能性があるわけです。
国内に目を向けると、戦後の高度経済成長でビルなどの建物の建設の需要が高まり、一気に成長を果たした企業がいくつも存在します。
バブルが弾けた後は、需要が減って低迷したことから、経営が傾いたり破綻した企業もあります。
そんな混沌の中で生き残った企業は、経済的な底力があったり、技術力が優れていて今も選ばれるなどの強みを持つ傾向です。
スーパーゼネコンと呼ばれる一部の大企業
バブル後も分社化や子会社化といった変化は続き、合併して新たな組織になったケースも珍しくないです。
ただ、スーパーゼネコンと呼ばれる一部の大企業は、戦前から存在していて歴史もある老舗が殆どです。
東京の建設会社鹿島は1840年創業と歴史が古く、現在の法人組織になったのも1930年と、歴史の長さが窺えます。
大手5社の筆頭に名前が挙がることも少なくないので、それだけ存在感が大きくなくてはならない存在だといえます。
得意分野は高層ビルで、他にも公共交通機関のインフラや地区開発に海外事業まで、何でも受注できて対応可能なのが強みです。
清水も1930年代に設立された企業で、こちらは大型プロジェクトよりも中規模な事業に力を入れています。
医療機関や土木といった得意分野がありますから、こういうところで存在感を表します。
伝統的な建築物の修復なども得意なので、強みを活かした経営が行われます。
大成は1917年設立で、戦後1957年にはもう東証一部上場を果たしています。
大倉財閥にルーツがある企業なので、同族会社という性格を持ちますが、現場の指揮権が強い会社ともいわれます。
超高層ビルから一般住宅に至るまで、引き受けられない依頼はない、そんな建設会社です。
建築土木全般に精通している上に、大規模な工事を得意としていますから、公共事業などで名前を見かける機会が多々あります。
大林組は1892年に存在した大林店をルーツに持つ企業で、1936年に設立されて誕生した老舗です。
元々は関西圏で存在感を発揮していた大阪の企業でしたが、2010年に本店を東京に移転しました。
事業所は全国各地にありますし、海外拠点も複数存在しますから、まさに世界を股にかけるグローバルな企業となっています。
竹中工務店は株式会社でありながらも非上場という、他の大手建設会社とは経営方針が異なります。
1909年に設立された大阪の企業ですが、創業の歴史を遡ると江戸時代の1610年にたどり着きます。
当時は神社仏閣の造営に携わり、明治時代にはいち早く欧米の建築技術を採り入れるなど、歴史がありながらも時代を先取りしてきたのが注目点です。
実は、工務店という言葉を生み出し定着させたのは、この竹中工務店の存在が大きいです。
国内での実績はめざましく、一時代の象徴として誰もが知る東京タワーや、日本武道館にドーム球場まで手掛けてきました。
更に、商業施設から病院や美術館まで、実に豊富な施工数の実績を誇ります。
売上高が1兆円を超える大手ゼネコン
このように、建設会社といえば大手ゼネコンが注目を集めますし、売上高が1兆円を超えるので当然です。
しかし日本の建物や建築物の建設を現場で支えているのは、スーパーだけでなくスーパー未満の大手や中堅といった規模の企業です。
下請けや現場で作業を担う存在があるからこそ、高層ビルも商業施設も存在しますし、社会が成り立ったり経済活動が行えます。
超大手とそれ以外の違いは、規模の大きさに加えて実績や対応力の高さ、そしてブランド力による信頼です。
この企業なら任せられる、そういった実績を多数残しているわけですから、公共事業を請け負った実績がない企業とは一線を画します。
その分、社員の仕事は激務ですし、失敗が許されないのでプレッシャーも相当なものです。
大手ゼネコンの平均年収は1,000万円付近ですから、文句を言うことは許されませんし、皆納得の上で激務をこなし高収入を得ています。
確かに、大変ながらもやりがいはありますし、大きな仕事をやり遂げた時の達成感はひとしおでしょう。
決して1人で成し遂げられるものではなく、チームワークや人間関係が重要ですから、人をまとめる存在こそ建設において重要性が高いです。
最終更新日 2025年7月28日 by koseyy